静物着彩(マネキンとビニール傘のある静物) 【第62回全国学芸サイエンスコンクール出品作品制作】

  • 2018.12.14 Friday
  • 14:02

モチーフ
 7月と8月の2ヶ月で静物着彩を制作します。たっぷりある制作時間で、高い完成度で仕上げることができるかが試されます。また、小学生から高校生の学生にとっては、「全国学芸サイエンスコンクール」に出品する為の作品制作です。このコンクールは全国規模で、この年齢層を対象としたものの中では最高レベルのコンク―ルです。今、自分の力がどれほどのものか、力試しです。
 今回の出題文は【記憶をテーマに自由に描きなさい】です。ただモチーフそっくりに描写する写生にとどまらず、テーマに沿ってどれだけ自分の内面をモチーフに重ねることができるかがポイントです。
 
 とはいえ、いきなり「記憶」と言われても、戸惑うと思ったので、ヒントとして、加藤久仁生監督のアニメ作品「つみきのいえ」をみんなに観てもらいました。これは、水に沈みゆく街にある積み木を積み上げたかのような家で暮らす老人を通して、人生というものを象徴的に描いた作品で、アカデミー短編アニメ賞を受賞しています。

映画鑑賞の様子(本科午前クラス)

映画鑑賞の様子(本科午後クラス)

映画鑑賞の様子(本科午後クラス)

映画鑑賞の様子(本科夜間クラス)


「つみきのいえ」のワンシーン
 
年を重ねるごとに一階ずつ、まさに積み木のように積み上げられた、おじいさんのお家。階下へ降りていくごとに、その時の記憶がよみがえっていくのです。

制作風景(本科午後クラス)
 
さあ、みんなはどのように記憶を表現するのでしょうか。いよいよ制作開始です!

大作に初挑戦!
 
コンクール出品に向けて、50号の大作に挑戦したい!というやる気みなぎる志願者達は、自分の体ほどの大きさのキャンバスと格闘を繰り広げます!

大作に挑戦!



制作風景(本科夜間クラス)



制作風景(本科夜間クラス)



講評会(本科午前クラス)



講評会(本科午後クラス)



講評会(本科夜間クラス)

 さあ、それでは生徒作品をご紹介しましょう!今回挑戦した「第62回全国学芸サイエンスコンクール」の受賞作品が、つい先日発表されました。なんと今年も、本教室から5名の受賞者を輩出しました!しかも準グランプリの銀賞を受賞した生徒もいます。惜しくも昨年のグランプリに続く2連覇はなりませんでしたが、今年も驚くべき好成績です!

本当にみんな良く頑張りました!!



第62回全国学芸サイエンスコンクール 絵画部門 小学生の部

準グランプリ 銀賞 

全国2位
(応募者2903名中)

村尾 伊織(小学6年生)

「記憶の断片」






第62回全国学芸サイエンスコンクール 絵画部門 小学生の部

旺文社赤尾好夫記念賞

全国5位
(応募者2903名中)

久田 花衣(小学4年生)

「太陽の光を浴びて」







第62回全国学芸サイエンスコンクール 絵画部門 小学生の部

旺文社赤尾好夫記念賞

全国7位
(応募者2903名中)

佐藤 アスティ(小学5年生)

「本当にあった出来事」





第62回全国学芸サイエンスコンクール 絵画部門 中学生の部

旺文社赤尾好夫記念賞

全国7位
(応募者1528名中)

小林 すもも(中学3年生)

「色と形と、そして私と」





第62回全国学芸サイエンスコンクール 絵画部門 中学生の部

旺文社赤尾好夫記念賞

全国11位
(応募者1528名中)

中島 佳晃(中学1年生)

「有意義な猫」





 コンクールに出品していない大人たちの作品も、とても素晴らしいものがいくつもあるので、お見せ致します。



生徒作品(大人)



生徒作品(大学3年生)



生徒作品(中学3年生)



生徒作品(大人)



生徒作品(大人)

 
今回は皆さんそれぞれが、「記憶」について考察を深めました。私達は一日、また一日と、時を重ねるごとに過去と呼べる時間がどんどん膨らんでいきます。この膨らんでいくものを、人間はどれだけ、また正確に頭の中にとどめておくことができているのでしょうか?頭に残っている時間の断片を人は記憶と呼ぶのでしょう。この記憶の積み重なりが、現在の自分を構成しているという人もいますが、はたして本当にそうなのでしょうか?今は無き私の祖母は、晩年に記憶の多くを失いましたが、それはもう祖母ではなくなってしまったのでしょうか?人それぞれ様々な捉え方があるでしょうが、私はそのように思いたくはありません。お婆ちゃんの中に僕の記憶は無くなっても、僕の中にお婆ちゃんの記憶は息づいています。今回皆さんが制作した作品の中には、それぞれの記憶が息づいています。美術作品とは、ある意味、記憶の結晶とも言えるのではないでしょうか。これからの未来に向けて、素敵な記憶を日々創っていきたいものですね。



 それにしても、今回本当に多くの秀作が生み出されました。現在、本科も予科も全クラスがとても制作意欲に溢れており、非常に良い制作環境が整っていると言えます。やはりアトリエ内に、このような高い意識が満ちていると、自ずと優れた作品が生み出されていきます。生徒と講師の全員が切磋琢磨し合い、励まし合い、ぶつかり合い、議論し合い、そして高め合う。このような教室が良い教室と言えるのではないでしょうか。これからも、下落合アトリエはこのような環境の持続を目指し、地域の文化意識向上に少しでもお役にたてればと思っています。



絵画教室下落合アトリエ

講師 村尾 成律

www.shimorie.com